2−2−1 庄内平野東縁断層帯

庄内平野の空中写真判読では、従来報告されている断層の位置を大きく変更すべき判読結果は得られなかったが、鳥海山南西麓のリニアメントについてはややブロードな変形や従来示されていた断層位置よりも前面側に傾斜変換点がある可能性が考えられ、観音寺断層については、山地と平野の境界付近前縁に傾斜変換点が認められる部分もある。

南部地域でも、断層の位置については従来の報告と大きな差は見られないが、松山町および立川町付近では狭い幅ながら変位地形や低崖が並列する場合も観察された。また、北部と同様により前縁部に変位地形の可能性が考えられる傾斜変換点の連続も観察された。

これらの断層付近では更新世後期の段丘面に累積性のある傾斜や撓曲が観察されるが、この傾向は北部の日向川や月光川で明瞭で、南部の相沢川や最上川本流沿いでは段丘面の分布が限定されるためやや不明瞭な部分も多い。しかし、南部・北部とも松山町付近を除いて断層の西側には沖積低地のみが分布しており平野側の沈降が極めて優勢であると考えられる。