6−3 データ処理解析

2次元反射法データ処理は図6−5に示した流れに沿って行い、処理長は2秒とした。

以下に各処理について記載した。

1)デー夕編集および品質チェック

現地で取得したデータは、データ処理用の内部フォーマットへの変換を行い、さらに不良トレース等を除去した。

2)CDPデータ編集

測定様に発震点と受振点の間隔が開いた場合などがあるため、可能な限り直線的に配置した受振測線に近付くように重合測線を設定した。

3)ブレフィルター,ゲインリカバリ,デコンボリユーシヨン

車輛の通過時に発生する振動によるノイズ除去のためのフィルター処理、幾何減衰を補償するための振幅調整等を実施した。

4)静補正

オフセット範囲のデータを利用し表層速度構造を推定した。この結果を図6−6に示した。各CDP内の標高を設定し、仮にこの点で受振・発震が行われた状況に補正する。

5)速度解析

定速度重合法により速度解析を行い速度プロファイルを作成する。

6)NMO補正

速度解析によって求められる速度関数を用いてNMO補正を実施した。また、NMO補正によっても除去しきれない部分については個々のパラメー夕ーを設定し補正を行った。

7)CDP重合

各CDP内についてオフセット範囲のデータを重合した。

8)フィルター処理

CDP重合後のデータをフィルター処理し重合断面図を作成した(図6−7)。

9)マイグレーション処理

マイグレーション処理を実施し断面図として表示した(図6−8)。

10)深度変換

マイグレーション処理のデータをマイグレーション速度を用いて深度に変換し、深度断面図(図6−9)を作成した。

11) 深度断面を基図として、周辺地質情報ならびに近傍の坑井データを参考として、解析断面図を作成した。この解析の際には、反射データに見られる明瞭な地層不連続線,反射データに見られる不明瞭な地層不連続線,反射データと坑井データから考えられる不連続線を区分し、これに加えて反射デー夕と坑井データから判断される主要な地層境界を図示した(図6−10)。

最終的な解釈断面図として図6−11には、周辺地域に見られる地質・層序に対比した断面図を示した。