これに対して、低位段丘T〜V面が分布する鮭川村佐渡地区や庭月地区では急傾斜帯とリニアメントが接近する位置にある。地表踏査では、このリニアメント上で想定される断層活動を反映した断層露頭は確認されなかった。しかし、鮭川村庭月のJKA161では低位段丘T面の堆積物を切る東傾斜・東上がりの低角逆断層が確認された(写真5−3−2,図5−3−10)。この断層は地形的連続は明瞭ではなく露頭観察からも複数のイベントを読み取ることができないため、派生断層の可能性は高い。しかし、この地域における構造運動や断層活動の活動様式を反映している可能性は高い。