(3)河北町日和田−寒河江市地域

この地域は寒河江川をはさんで段丘面の分布が大きく異なる。寒河江川の左岸では沖積低地が広がっているが、右岸では低位段丘U面が広く、寒河江市街地北側には低位段丘T面、中位段丘U面などが分布している。寒河江市街地の南側には低位段丘T〜V面が分布する。この地域で南西方向に流路が変わる最上川は、左沢付近で大きく蛇行している。左沢から寒河江市南部にかけては比較的直線的な流路となり、左岸側には沖積段丘が分布し、右岸側には低位段丘U面が連続し、沖積段丘も断辺的に見られる。

この地域に見られる明瞭なリニアメントは寒河江市街地東側に連続するものである(YL−17)。このリニアメントは低位段丘U面と沖積低地の境界をなすもので、一部で沖積低地にも低崖が認められることから、Aランクとした。

この西側3kmには高位段丘が大きく傾斜した斜面が観察される。これより上流の高位面は標高200m前後で連続しており、段丘面の傾斜はこの地区における更新世後期の傾動運動を反映している可能性がある。このため、断層崖は認識できないがこの傾動をBランクとした。