3−1−2 新庄盆地断層帯

新庄盆地断層帯では参考もしくは引用する文献として以下のものを収集した。このうち第四紀における断層活動もしくは構造運動に関わる文献について要約を示した。

(1)活断層研究会編(1991):「日本の活断層」−その分布と資料−.p130−143.

 

盆地内に図示されたリニアメントは7箇所であり、このうち確実度Tとされるリニアメントは、鮭川断層(図中35),沖の原断層(図中17),長者原断層(図中18),駒篭断層(仙台図幅35)の5箇所である。

図3−2−1 日本の活断層に示されたリニアメント

(2)地質調査所(1983):「活構造図、秋田」1/50万図幅

4条の活断層が第四紀後期に活動したものとして図示される。

(3)杉村 新(1952):褶曲運動による地表の変形について.地震研彙報,30,163−178.

新庄盆地を流れる小国川沿いの5断に大別される段丘面は、新第三紀層の褶曲と同じ方向へ変形し、古い段丘ほど変形量が大きいことから段丘形成期間中も褶曲運動が継続したことを示すとしている(図3−2−2)。

図3−2−2 杉村 新(1952)に示された小国川沿いの段丘面の変形

(4)鈴木康弘(1988):新庄盆地・山形盆地の活構造と盆地発達過程.地理学評論,61A,332−349.

この論文では、新庄盆地と山形盆地の地質構造の特性からここで発生する断層の様式が異なることを論じているが、この中で山形盆地北部から新庄盆地にかけての段丘面の対比と断層位置を図示している(図3−2−3)。また、この地域に見られる断層について鮮新世の地層の急傾斜や逆転、断層露頭の存在、あるいは、段丘面の変形や段差の存在などから表3−2−1に示した断層の存在を指摘している。

図3−2−3 鈴木(1988)に示された段丘面と断層位置

表3−2−1 鈴木(1988)に示された断層と従来の研究との対比

以下に新庄地域および関連地域の地質・構造などについて記載された論文リストを示す。

(5)天野一男(1980):奥羽背梁山脈宮城・山形県境地域の地質学的研究.東北大学古生物研邦報,No.81.8.

(6)大沢 禾農・土谷信之・片平忠実(1986):清川地域の地質.地域地質研究報告(5万分の1図幅),地質調査所,61p.

(7)徳永重元(1958):5万分の1地質図幅「尾花沢」および同説明書.地質調査所,32p.

(8)北村 信,編(1986):新生代東北日本弧地質資料集.第3巻−その2−,島弧横断ルートNo.22.

(9)佐藤比呂志(1986):東北地方中部地域(酒田−古川間)の新生代地質構造発達史.東北大地質古生物研究邦文報告,88,1−32および,89,1−45.

(10)地質調査所(1988):1/200,000地質図「新庄及び酒田」.

(11)地質調査所(1981):「秋田・山形地域活構造図」1/20万図幅.

(12)Yushi Funayama(1961):The geology and geological structure in the marginal areas of the Yamagata Basin, with special reference to the ore deposits, Yamagata Prefecture, Jpan. Sci. Rep. Tohoku Univ., 3rd ser., 7 ,199−291.

(13)中川久夫・石田琢二・大池昭二・小野寺信吾・竹内貞子・七崎 修・松山 力・栂 恒雄(1971):新庄盆地の第四紀地殻変動,東北大地質古生物邦文報告,No.71,13−20.