考古学的遺物;和歌山県文化財センタ−埋蔵文化財課 土井孝之主査鑑定
@大きなお皿状のもの・・・焼き物(窯で焼いている)
かめの底で,底に張り付いていたものは坏と呼ばれる別の焼き物.
時代は5世紀〜6世紀前期
Aその他の2点・・・・・・・・・・野焼き
古墳時代(4世紀)の高杯(ツキ)の底・
同 (2.5世紀)の??・
Bその他3点・・・・・・・・・・野焼き
弥生時代の須恵器 かめの破片,壷の破片,壷の破片
C1点
木製 へら状木器
遺物は異なる時代のものがほぼ同じ層準に混在して産出すること,土器が水磨していることから,近接した場所から紀ノ川に流され,ここに堆積したものと思われる.
14C年代測定速報では,C−14(木片)試料は 4,509±62y.B.P.(NZA9175), C−12' (木片)試料は1,089±59y.B.P.(NZA9716),C−15 (木片)試料は1108±56y.B.P.(NZA9717)の結果を得た(図1−3−8参照).C−14試料を除くと,産出する遺物から推定された年代より14C年代は新しい.以上のことから,ここでは断層は9〜10世紀の地層に覆われていると判断した.
なお,調査地北側の沖積段丘上で道路建設に先立って遺跡調査が行われた.約3,000年前の最下底面に,液状化等の強震記録はなかったとのことである(土井氏談).