断層に近接する下盤側のV〜Z層は凹状の分布を示し,下位の地層ほどその凹みは大きく,横幅も大きいことから,累積して変形していると判断される.このような凹地(以下,変形帯とする)を形成する断層が既に述べた北側のものだけなのかあるいは,その南に複数あるのかかは不明である.V層基底面の変形は明瞭である.不明瞭であるがV層上面(侵食面)まで及んでいると判断される.さらに上位のU層中では,断層による変形の有無は判断できない.
断層を挟んで地層を繋ぎ,凹地の深さを測り,変形の数量化を試みた.
V層上面(侵食面) 深さ約1m
V層基底面 深さ約1m
W層基底面 深さ約3m
Y層基底面 深さ約5m
Z層基底面 深さ約3.5m以上であった.
地層の層厚を検討すると,V層は断層を挟んで,顕著な層厚に変化は認められない.その下位のW層では,上盤の1.5m程度の層厚が,下盤では層厚は倍以上の4m程度と大きくなる.さらに下位のX〜Z層の層厚は,下盤側でいくぶん厚くなるようであるが,明瞭ではない.