3−1−5 淡路島南部

紀ノ川河口部北岸から紀淡海峡部では山麓を離れて走る狭義の中央構造線や並走する断層系が活動的である.

淡路島南端では,三波川結晶片岩類に由来するガウジを伴う和泉層群(破砕帯)と大阪層群相当層が接する北傾斜の逆断層が認められる(金折他,1982).この断層の走向はN60゚Eで,諭鶴羽山地の南側斜面をなす断層崖麓へと連なる.その東西両側の海底で音波探査による調査が行われ,海底活断層の存在が明らにされている(海上保安庁水路部1979):国土地理院,1985:活断層研究会,1991).これら陸海域では,雁行状に配列する断層が全体として東北東−西南西方向に延びる.淡路島の南東端は急激に高度を低下し,そこに傾斜した大阪層群相当層が見られることから,紀淡海峡(友ヶ島水道)の西側で北方の大阪湾へと分岐する逆断層性の活断層が推定される.

この海域でも東北東−西南西方向の活断層系は,右ずれと推定され,北上がりの上下変位が伴われている.このように,右ずれ活断層系がその東端で南北方向の逆断層に移行しいるので,ここも横「し」の字状構造がみられ,淡路島南側が1つのセグメントとして認定されるとしている.

セグメント大区分のWとされる紀淡海峡から鳴門海峡までの長さ30kmの区間で,海底断層を形成し,1596年9月5日(M7.5)慶長伏見地震時に西方の四国北東のXaとされるセグメントと一緒に動いた可能性大としている.

中央構造線活断層系(四国東部から紀伊半島西部まで)