(6)中央構造線断層帯について
寒川(1992)は,四国から紀伊半島西部にかけての中央構造線に隣接する遺跡の地震跡について次のように概略を報告している.徳島県の吉野川流域沖積低地の遺跡跡では,西暦1,600年前後および古墳−奈良時代の地震によると考えられる液状化跡が発見されている.さらに和歌山市の川辺遺跡では7世紀後半頃を最新時期とする複数の時期の液状化跡が検出されている.これらの地震跡の中には中央構造線活断層系の活動に伴うものが,含まれている可能性があるとしている.