S波反射探査結果によると,反射測線のほぼ中央部(測線距離CMP330付近)の深度30m付近から北側下部に向かって南北の異なる反射面の境界が認められた.両者の境界は断層であり,文献調査から和歌山平野伏在活断層と推定された.
ボーリング調査は,この境界を横断する方向に直線状に配置した群列ボーリングとした.掘削数は計5孔,掘削孔径は原位置の地質状況をより正確に把握する目的で径86mmを基本とした.
これらのボーリング調査結果によると,推定した断層を境界に北側には和泉層群が,一方南側の同標高には第四系と思われる堆積物が確認された.
B.追加調査(計6孔/累計11孔)
当初の計画調査から断層の存在は明らかなものとなり,さらに断層の性状を詳細に把握する目的で,群列ボーリングを補完する追加ボーリングを3孔実施した.
また,その後のS波反射断面の解析から,測線の北端に近い付近(測線距離CMP500周辺)の基盤に地層のたわみが認められることから,周辺の地質構造の確認と断層上盤の地質分布の把握を目的としてボーリングを3孔追加した.
C.二次追加調査(計3孔/累計14孔)
追加調査(Bに示す)結果から,断層周辺の地質状況を検討した結果,断層の分布(主に角度),変位基準となる地層の区分が不十分であることが指摘された.これらの情報を追加する目的で,さらに断層周辺にボーリングを3孔追加した.