@海老坂断層は、今回の調査により活動度が低いと推定され、新しい活動の証拠も認められない。断層の存在や活動度について把握するためには、地表踏査を行い、国道160号線の東側の丘陵斜面に認めた総延長約1kmのリニアメントの認定根拠となる地形が、変位地形であるかどうかを明らかにすることが必要である。
A海老坂断層の南方は小矢部川の攻撃斜面にあたり、厚い砂礫層が分布することが想定され、地形的にも現れていないことからトレンチを行うことは難しいと考えられる。
北方は沖積低地に抜けるものと考えられるが、詳細位置がわかっておらず、主断層位置を物理探査などで把握しないとトレンチ候補地を選定することができない。
2)今後の調査手法
断層の存在や活動度について把握するためには、リニアメント周辺の地表踏査および地形面の形成年代の把握を行う必要がある。これらの調査の結果で今後の詳細調査を行なうかどうかの判断をする必要がある。
海老坂断層南方延長では厚い砂礫層が分布することが想定され、トレンチによる活動度の調査を行うことは難しいと考えられる。北方延長では主断層位置が不明なため、トレンチ候補地を選定するためには反射法弾性波探査などの物理探査が不可欠である。
全体的に活動度を評価するための調査が困難であり、活動度も低いと考えられることより、本交付金の調査の対象から外すことを含め、今後の詳細調査の継続について検討する必要がある。