群という形で区分したのは、これらの地形面には小規模な亜段が数段バラバラに認められること、面の分布形状、分布地域の状況から、これらの地形面は開析扇状地ではなく、小矢部川本流・支流に支配された河川成の段丘面である可能性が高いと考えられること、小矢部川本流・支流の位置(流路及び標高)がその東を北流する庄川扇状地の影響を受けていると考えられ、ある地形面形成期における堆積面あるいは侵食面の高さが調査地域内で一様であったと判断することが困難であることなどの理由による。
a.地形面T面群
丘陵U分布地内に認められる。今回調査で識別した地形面としては最も高い位置に分布するが分布域がせまく連続性も悪い。また、分布幅もせまい。
b.地形面U面群
丘陵U内の地形面一面群の平野側に接してあるいは丘陵U分布地内に2番目に高い地形面群として認められ、点々と分布する。
c.地形面V面群
W面群より一段高い位置に3番目に高い地形面群として認められる。平野では段丘崖状の崖地形を介してあるいは緩傾斜の傾斜変換線を介してW面群と接する。傾斜変換線でW面群下に埋没していると考えられる。
d.地形面W面群
平野・谷底に認められる地形面中、最も低い面であるが、分布域は主として小矢部川左岸地域である。右岸地域には庄川の扇状地が分布している。