・藤井昭二(1978)
「富山県西部地震(1976)と木舟城の崩壊」
1976年2月から3月にかけて富山県福岡町を中心に12日間に10回の有感地震があった。2月22日の地震が主震で、震央は東経136.9度,北緯36.7度(小矢部市田川付近),M4.5で震度階Wの地震であった。石動断層帯がここを通っており、地震の原因はここで小さな活動があったものと考えている。
・和田博夫・三雲 健・小泉 誠(1990)
「飛騨地方北部及び富山湾・能登半島周辺の最近の地震活動」
上宝地殻変動観測所は1965年に設置されて以来、飛騨地方北部の地殻変動と地震活動の観測を行ってきており、1977年より地震・地殻変動テレメータシステムを導入し高感度地震観測を開始した。
1985年1月から1989年12月までの5年間の飛騨地方北部の地震活動の特徴は以下のとおりである(図3−1−14)。
@跡津川(アトツガワ)断層に沿って明瞭な地震活動が認められる。
A跡津川断層に平行する牛首(ウシクビ)断層はさほど活発ではない。
B飛騨山脈直下にも比較的活発な地震活動が認められる。
C跡津川断層と飛騨山脈に囲まれた三角地帯(上宝村周辺)は低活動域である。
D御母衣(ミボロ)断層北端において比較的活発な群発地震活動があり、1986年から1988年にかけて繰り返しM3以上の地震が発生した。高清水断層・石動断層付近でも活動が見られる。
E富山湾内でも顕著な活動が存在する。