地層の対比は、石油公団(1985)の反射法探査結果の解釈(図3−4−3−1、図3−4−3−2)および既存のボーリングデータを参考にした。
砂礫層(埴生層)は明瞭な反射面が発達している。ただし、CDP290以降(右側1/3)の砂礫層の下面についてはやや確度が低下する。砂岩層(音川層)には反射面が少ないが、その下部に反射面が見られるゾーンがある。空中写真判読と地表地質踏査で3箇所(A,B,C)に断層があると考えられる。
このうち、Bは「[新編]日本の活断層」で変位地形と認定されているものである。探査結果では、B(CDP310付近)のリニアメントがある付近は浅い部分の反射面が全体的に山側(右側)へ傾動しているように見える。AとBの間にも断層が想定されるが地形には表れていない。
A(CDP260付近)は低位段丘U面上の標高差5m程度の崖線を断層変位であると考えたものである。探査結果においても表層付近まで反射面に乱れが見られ、この乱れの連続性から低角度の断層が推定される。CDP0〜290付近の標高−350m付近には比較的連続性の良い反射面が認められる(音川層下部層?)。断層付近を境界に山側(右側)ではこの反射面は認められず、断層の存在を意味するものと考えられる。
Cは一番山側の地質境界断層であり、リニアメントは明瞭であるが最近の活動については不明である。測線の端であり、探査結果から地質構造に関するデータは得られていない。
CDP365付近〜425付近には陥没状の構造が伺われるが、表層近くでトラップされた多重反射の波である可能性もあり、詳細は不明である。地形的には対応していない。