3−1−3 反射面と地質境界の対比

反射法探査で確認された反射面と地質境界の対比については、ボーリング調査の結果とあわせて考えると図3−1−1のようになる。

○深部反射法探査結果について

 A・C孔のボーリング調査の結果、地表部の沖積砂礫層が18.35〜20.20m程度の深度まで連続しており、この下位の砂岩層との境界についてはあまり明瞭には検出されていなかった。断層上盤側の三角地帯の内部構造については、西富山砂岩層が背斜の東翼の構造に沿って傾斜しているものと推定され、この浅い部分の構造については反射面は明瞭ではなかった。A孔で確認された断層(砂岩層と砂礫層の境界)については、ボーリングで確認された深度と、深部反射法探査で推定された深度がほぼ等しく、深部反射法探査で推定された断層が実在するものということが判明したことと、深部反射法探査で推定された構造がおおむね正しいことが検証された。

○浅部反射法探査結果について

浅部反射法探査で断層上盤側に認められた数枚の反射面については、最上位の強い反射面が砂礫層と砂岩層の境界を示しているものと考えられ、これはA・C孔のボーリングで確認された。その下位の水平構造を示す反射面に相当する地質境界は認められなかった。これは下位の強い反射面が、上位の強い反射面の虚像として現れている可能性がある。物性の境界として非常にギャップが大きいためにこのような現象が起こる場合がある。

 断層下盤側の反射面については、B孔で深度15.40m、D孔で12.45mに第一挟み層の粘土〜シルト層が分布しており、浅いところに想定されていた強い反射面に相当するものと考えられる。ボーリング調査結果では、第一挟み層の上面に約2.5m、下面深度に約1mのギャップが認められ、断層による変位の可能性も考えられる。それ以深の反射面については明瞭な挟み層としての砂や粘土が認められず、粘土混じり砂礫層がD孔で数枚確認されたのみである。B孔は基質のほとんどを流失しており、対比することはできないし、分析対象となるような試料も採取できなかった。