判読により、段丘面の区分、線状模様、崩壊地等の地形の抽出を行うことができた。
これらの結果は、付図2−1−1に地形分類図としてまとめた。
地形判読の結果を以下に示す。
1.既存文献による呉羽山断層の位置(呉羽山丘陵東縁崖)には、直線的な連続する
崖地形が認められ、それと並行するようなリニアメントが呉羽山丘陵に見られるが、
東縁崖と平野部の境界部は旧河道が複数認められ、河川が斜面を攻撃しているよう
に見える。平野側にはリニアメントは認められない。
2.富山市境野新から射水丘陵にかけては扇状地様の地形面が広く分布し、扇状地の
扇頂部は富山市平岡付近に見られる比較的明瞭な旧河道と思われる。またこのほか
にもこの扇状地を削って、婦中町友坂、富山市古沢付近に比較的明瞭な旧河道が見
られる。
3.山田川の段丘面を追跡していくとW面が比較的明瞭に認められ、平岡、境野新付
近から古沢付近まで追跡していくことができる。しかし、それ以降の段丘面につい
ては呉羽山丘陵東縁崖を挟んで大きな差異がある。北西側では、W面とD面との比
高差が数mであり、D面と沖積面との間にはほとんど比高がないのに対し、南東側
ではW面とY面の間は10m程度、Y面と沖積面との比高は30m程度となる。また、
Y面は富山平野側へ傾いているように見え、D面〜Y面形成時の間に流路の変更が
あったものと考えられる。
4.平岡から境野新にかけて呉羽山丘陵東縁崖にほぼ平行な溝状地形が判読される。