@富山県平野部の地盤図集 昭和54年3月
建設省北陸地方建設局 北陸技術事務所
A富山県地下水位及構造図集 昭和55年
富山県鑿井業協同組合 さく井技術研究会
B富山県地下水位及構造図集(呉東版) 昭和56年
富山県鑿井業協同組合 さく井技術研究会
C富山県地下水位及構造図集(呉東版) 昭和58年
富山県鑿井業協同組合 全鑿富山鑿井技術研究会
D富山県地下水位及構造図集 第4集(呉東版)
富山県鑿井業協同組合 全鑿富山鑿井技術研究会
E富山県地下水位及構造図集 第5集
富山県鑿井業協同組合
F史跡安田城跡土塁展示施設さく井工事 平成4年3月 [婦負郡婦中町安田地内]
富山県婦中町役場
G主要地方道富山小杉線臨時道路交付金橋りょう整備(新井田川橋)
土質調査業務委託 平成4年9月 [婦負郡婦中町西本郷地内]
富山県富山土木事務所
H主要地方道富山小杉線住宅宅地関連地質調査(その1)業務委託 平成7年3月
[富山市古沢地内] 富山県富山土木事務所
I主要地方道富山小杉線住宅宅地関連地質調査(その2)業務委託 平成7年3月
[富山市古沢地内] 富山県富山土木事務所
J城南病院温泉掘削工事 平成7年6月 [富山市太郎丸地内]
泣Tクラギ
K今泉病院温泉掘削工事 平成7年2月 [富山市今泉地内]
渇z州石材商行
L富山市窪新町地内温泉掘削工事 昭和63年9月 [富山市窪新町地内]
信開産業梶@
M富山県婦中町地区泉源開発工事 平成4年 月 [婦負郡婦中町新町地内]
友愛温泉病院
N富山市城川原地内 [富山市城川原地内]
東洋健康ランド
(1)温泉ボーリング資料
呉羽丘陵周辺から富山市街地にかけての温泉ボーリング資料は、表1−2−3に示す5地点のものが得られた。
@〜Cは神通川東側の市街地の温泉ボーリング資料である。呉羽丘陵の北西延長線上の@の礫層下限深度はほかに比べて浅いが、これ以外の地点の礫層下限深度は810m、620m、380mと深く、神通川付近を境にして東側では基盤深度が急激に深くなることが確認された。
Dは調査地南端の呉羽カントリークラブ付近の温泉ボーリング資料であり、礫層下限深度が150mという記載がある。しかし、この周辺には呉羽山礫層、高位段丘礫層などが分布しており、新しい時代の砂礫以外のものも含まれているものと考えられる。
(2)井戸ボーリング資料および地盤図集のボーリング資料を元にした地層の連続性
比較的表層部分の地層の連続性を確認するため、これらのボーリング柱状図を元に断面図を作成した。付図1−2−1、付図1−2−2、付図1−2−3、付図1−2−4、付図1−2−5にボーリング地点位置図を、表1−2−4−1表1−2−4−2表1−2−4−3表1−2−4−4表1−2−4−5表1−2−4−6表1−2−4−7表1−2−4−8表1−2−4−9に平面図にプロットしたボーリングデータ一覧を示す。
比較的表層付近の地層の連続性を確認するため、収集したボーリングデータの地質の記載、電気検層記録を元に、断面図を作成した。図1−2−3、図1−2−4、図1−2−5、図1−2−6に断面図を、付図1−2−1、付図1−2−2、付図1−2−3、付図1−2−4、付図1−2−5に断面線位置を示す。
以下に、断面について特徴を示す。
@A−B断面
富山市布目付近から中島大橋付近をとおって飯野付近に至る断面である。東洋健康ランドの温泉ボーリング(L=1,200m)では礫層の基底(泥岩との境界)が深度約200mと深いが、信開アーバンシティの温泉ボーリング(L=1,200m)では礫層の基底が810mと非常に深い。
表層付近は砂〜砂礫層である。電気検層の結果より、深度50m付近に比抵抗値が高いゾーンが見られ、礫層に相当する。多少の上下はあるものの神通川を挟んで東西での連続性がよい。
AC−D断面
富山市東老田から城山を横切り、富山大学付近をとおって富山城趾公園に至る、比較的市街地の中心部をとおる断面である。
表層付近は砂〜砂礫層である。富山大学脇にある県営陸上競技場脇のボーリングデータでは深度32mで泥岩が確認されている。また、地点から北東へ500m離れたところでは40mの深度のボーリング(410002)で孔底まで砂礫層、その東の250mに位置する深度70mのボーリング(410033)でも孔底まで砂礫層が連続しており、泥岩などの記載は認められない。富山市中心部から神通川付近にかけては、深度20m以深に高比抵抗を示す砂礫層が東西に連続しており、県営陸上競技場付近において基盤のギャップがあることが判る。しかし、表層付近の細粒の挟み層(低比抵抗)は呉羽山東縁まで連続しているように見える。
BE−F断面
富山市古沢から県道富山小杉線呉羽トンネルをとおり、西本郷、婦中大橋東詰をとおり富山市上袋に至る断面である。深部反射法探査測線に比較的近い断面である。
神通川東側から井田川付近まで、明瞭な礫層が連続して認められるが、井田川西岸の安田城の井戸ボーリングでは西富山砂岩層と想定される砂岩が分布し礫層の連続性が絶たれる。このはノンコアボーリングであり、詳細は不明であるが、県道富山小杉線新井田川橋工事時の調査ボーリングでは地表から20m付近のところで基盤の砂岩層を確認している。安田城井戸ボーリングにみられる深度17〜65mの粘土混り砂は、比抵抗値も低い値でほぼ一定であり、均一であることが考えられ、新井田川橋で確認された砂岩層に相当するものと考えられる。この砂岩層の下位には礫層が分布し、この礫層の比抵抗値は、東側の連続する礫層の比抵抗値とほぼ同程度(400〜600Ωm)である。したがって、安田城井戸ボーリングは断層で接していることも考えられ、後述する反射法探査結果に投影すると、断層面と思われる反射面の位置が、粘土混り砂層と砂礫層の境界にあたる。
CG−H断面
富山市栃谷から富山医科薬科大学をとおり、婦中町速星に至る断面である。
井田川東岸に礫層が分布し、これらはE−F断面の井田川東岸とほぼ同様の比抵抗のパターンを示している。井田川西岸では井戸ボーリングデータがないため連続性は確認されない。