(2)呉羽山断層の未解明の問題点

@ 呉羽山断層の形成は、地質層序および地質構造から定性的に50〜2万年前の変動は判明しているが、2万年前以降すなわち、沖積層堆積時の変動が不明である。

A 呉羽山断層のセンスは、定性的に右横ずれ成分を持つ高角度逆断層であると考えられているが、地質構造的に高角度正断層とも考えられている。すなわち、定量的な縦ずれおよび横ずれが不明である。また、断層の形成以降、正断層の活動であったのか、それとも逆断層の活動であったのか、もともとは正断層であったのが逆断層に転じたのかが不明である。

B 現在、呉羽山断層の主断層は呉羽丘陵の南東崖をとおると考えられているが、試錐資料等により、丘陵南東崖以東にも断層が考えられている。すなわち、呉羽山断層は1本の断層から形成されているのか、数本の断層から形成されているのか不明である。