(1)延興寺地区

@地表地質踏査(精査)

延興寺地区は,平成9年度の調査で,第四紀層(河床堆積物)を変位させている可能性がある断層露頭f15が認められ,また,連続的な断層変位地形が認められる地域である.雨滝−釜戸断層の形状(地質境界,断層破砕帯の有無・形状)や活動履歴(活動性・平均変位速度・最新活動時期・単位変位量および地震再来間隔)の諸元に関する新情報を得る目的で実施した.

雨滝−釜戸断層の断層露頭や,断層周辺の地質状況を把握する上で重要な露頭に関しては詳細に観察し,スケッチや写真撮影を行った.また,平成9年度の調査で発見された断層露頭f15については,第四紀層を変位させているか否かを明確に把握するために,再度詳細な観察を行った.

調査結果をルートマップ(1/5,000)に記載し,スケッチおよび写真を添付してまとめた.

Aボーリング調査

ボーリング調査は,延興寺地区における雨滝−釜戸断層(主断層)の詳細な位置を確認し,その形状(地質境界,断層破砕帯の有無・形状)を明らかにするために,断層露頭f15の直近で2本掘削した(BE−1,BE−2).掘進長は15.0mと11.0mで,断層破砕帯を貫けるように斜め45゜ボーリングとした.

ボーリングは,オールコアボーリングとし,φ86mmで実施した.得られたコアは,3mごとにコア箱に納め,コア観察(1/10)と写真撮影を行った.

調査結果は,コア写真に記録し,ボーリング柱状図(1/100)と地表地質踏査(精査)とを合わせてまとめた.1/10のコア観察記録は,巻末試料として添付した.