(5)扇ノ山安山岩類
扇ノ山安山岩類は,扇ノ山付近を中心にして流出した安山岩や玄武岩の溶岩を総称したものである.溶岩流は,北方,北西−西方,南東方の3方向にわかれて流下し,鳥越火砕岩層を不整合に覆っている(上村・坂本・山田,1979).また,この溶岩流は河合谷高原や西方の菅野付近などに溶岩台地(山頂緩斜面)を形成している.岡田ほか(1982)は,溶岩の古地磁気や火山灰層序などから,扇ノ山火山の活動は,松山逆磁極期にはじまり,更新世中期まで継続したと考えている.