本調査は,雨滝−釜戸断層系について地形地質調査を実施し,その実態や性状を把握することを目的とする.
A 調査項目及び内容
(イ) 地形地質調査
<文献資料調査>
文献資料調査は,雨滝−釜戸断層系の実態把握に寄与する地形・地質・断層・地震などに関する文献や資料を収集・整理することを目的として実施した.
収集した文献や資料については,著者(アルファベット)順に整理し文献リストを作成した.
<空中写真判読>
空中写真判読は,調査地域において地形分類や地形面の区分,断層変位地形やリニアメントの抽出及び地すべり地形や崩壊地形などの抽出を行うことを目的として実施した.結果を,「地形分類図」(1/25,000)としてとりまとめた.
<地表地質踏査(概査)>
地表地質踏査は,文献資料調査や空中写真判読によって得られた情報を現地で検証するとともに,地形・地質学的新知見を得ることを目的として実施した.断層露頭や鍵層が分布する露頭など重要露頭については,スケッチを行うとともに詳細な観察を行った.結果を,「地質図」(1/25,000)及び露頭スケッチ集としてとりまとめた.
(ロ) 総合解析
地形地質調査結果を踏まえ,雨滝−釜戸断層系について活断層としての評価を行うとともに,位置・センス・形状・活動度などについて総合解析を行った.
(ハ) 報告書の作成
以上の調査結果をとりまとめ,報告書を作成した.
B 調査項目及び数量
調査項目及び数量表を,表2−2示す.
表2−2 調査項目及び数量表
C 調査項目選択の経緯
1章の“調査の目的”で述べたように,雨滝−釜戸断層系は,都市近郊に位置する重要な活断層系でありながら,その実態や性状に関する既存情報に乏しい.そのため,活断層調査の基本(第一段階)である地形地質調査を実施することにより,その実態や性状を把握することとした.