・トレンチ掘削にあたっては、掘削用地及び掘削残土置き場や作業ハウス、トイレ等の用地も設定した。
・掘削にあたっては、重機による掘削であるため、特に畑地などでは、まず表土及び耕土だけを薄くはぎ取り、下位の土層・地層と混在しないようにした。
・トレンチの規模は、断層の出現状況にあわせて適時決定した。トレンチは、とくに断層の確認、断層によるイベントを受けた地層の確認等を念頭において掘削したが、トレンチの規模を広げてチャネル等を追跡する必要がでたため、トレンチ5およびトレンチ6を埋め戻すときに道路側(スケッチ図でのN面側)を追加掘削した。
・掘削残土は、雨によって流出しないようにビニールシートをかけるなど十分な注意をはらった。
・排水は、幸いなことに今回は湧水箇所がなく、一度大雪によるトレンチ外周の木枠の破損があった程度の損害であった。
・トレンチ法面は、最終的には人力による整形を行った。礫質な堆積物の場合、礫の状態を見ながら慎重に作業を行った。
・観察にあたっては、1mメッシュにグリットを設けた。グリットの設定にあたっては、まず、トレンチ周辺の横板と杭で柵を作り、次に板の水平距離1mごとに釘をうち黄色のガムテープを貼った。さらに5mごとには赤のガムテープを張り付けた。その後トレンチ法面上にレベルで基準となる水平線を決め、回りに横板の1mごとの釘から水平線と直交するように水糸をたらし、法面下部と固定した。これによって1mごとのグリットが完成する。