探査装置は、表2−1−2−1に示すVHF〜UHFの範囲の周波数を取ることができるが、今回の探査深度は礫層の上面まで約2m程度であるため、100〜300MHzの超短波帯 の電波(電磁波)を採用した。
図2−1−2−1 地下レーダー探査装置概要図
表2−1−2−1 電磁波の使用とアンテナ例
電磁波の伝播損失は、主に地層の導電率によって決まり、導電率が小さいほど探査深度は深くなり、逆に導電率が大きいほど探査深度は浅くなる。地層のもつ電気的な特性は、絶対値を決定するのはかなり困難で、深度の決定も媒体の性質の「ずれ」によって左右されるため、深度を決定できる過去のボーリングやトレンチの情報と対比させた。図2−1−2−2は、路面で実施した探査結果での異常映像パターンであるが、地層の物性の違いが反映している状況は認識できる。
図2−1−2−2 異常映像パターンの分類
KSD−3AM型の場合は、乾燥した関東ローム層を対象に直径10cmの鋼管体埋設物を深度10mまで検知した事例があるが、これはまれな事例であり、いままでの探査実績では、深度2m程度が探査可能深度である。地下水等がある場合は、それ以 深は測定できない。下記に主要性能と仕様を示した。
表2−1−2−2 主要性能
表2−1−2−3 主要仕様