(2)結果の表示方法

群集解析にあたり個々の産出化石は、まず塩分濃度に対する適応性により、海水生,海水〜汽水生,汽水生,淡水生に生態分類し、さらにその中の淡水生種は、塩分,pH,水の流動性の3適応性についても生態分類し表に示した(表6−4−1)。

堆積環境の変遷を考察するために珪藻化石が100個体以上検出された試料について珪藻化石群集変遷図を作成した(図6−4)。出現率は化石総数を基数とした百分率で表し、2%以上の出現率を示す分類群についてのみ表示した(図中の●印は、総数が100個体以上産出した試料うち1%以下の種を、○印は総数100個体未満の場合の産出を示す)。図中には、海水生・汽水生・淡水生種の相対頻度と淡水生種を基数とした塩分・pH・流水の相対頻度について図示した。

なお、珪藻は一般には水域(水中)に生育するが、一部に好気的環境(直接大気に曝された環境)に生育種群が認められ、これらを陸生珪藻と呼んで区別している。本分析では、水生珪藻と陸生珪藻の区分を明確にし、それらの比率についても図中に示した。なお、陸生珪藻は伊藤・堀内(1991)の区分に従い、A群,B群およびその他の3つに区分している。

珪藻の各生態性(塩分・pH・流水)に対する適応性の詳細については、まとめて表6−4−2に示した。