今回の調査では、断層を直交する測線を設定し、地形的に断層による撓曲を挟んだ2カ所でボーリングを実施する事とした。その結果を基に、地層の対比を行い、活動性を検討することを目的とした。深度は、いずれも立川レキ層が確認されるまでとした。
図4−6に調査位置図を示す。また、表4−3に本地区での実施数量を示す。
表4−3 瑞穂町箱根ヶ崎地区ボーリング数量表
<調査結果>
撓曲の西側である97−10では、深度5.53m以深で立川レキ層が出現する。それ以浅は砂からシルトに上方細粒化を示すゾーンと、ほぼ均質で多色性に富む粘土層およびピートが出現する。
深度4.64mから立川レキ層が出現するまでの間は、15cm〜30cm程度の厚さで、中砂から腐植物を多く含むシルトへ上方細粒化のサイクルを示す地層が3つ確認できる。
さらにその上位に、粘土層が地表付近の人工改変直下まで続く。粘土層は、わずかに水平葉理が見られるものの、ほぼ均一の粘土からなり、乳灰〜緑灰〜灰褐色の多色性を示す。また、粘土中には垂直に植物根が混入している。
一方、撓曲の東側である97−11では、60cm程度の耕作土の下に陸生の砂質ロームが出現し、さらに深度1.28mで立川レキ層が出現する。
立川断層を挟んで立川レキ層の上面の標高を比較すると、5mほどの差があることが明らかになった。
図4−6 調査位置図(瑞穂町箱根ヶ崎地区)
図4−7 断面図(瑞穂町箱根ヶ崎地区)