霞川低地内では、過去2つのトレンチが実施されている。しかし、2つのトレンチで出現する地層の年代が大きく異なる。そのため、ボーリング調査は、霞川低地内の2つの既存トレンチを結ぶ測線を設定し、低地内を横断する方向でほぼ等間隔に実施することとした。また、立川断層をまたいで新町レキ層の標高差を確認するため、1孔実施した。深度は、いずれも新町レキ層が確認されるまでとした。
ボーリング調査位置を図4−4に示す。また、調査数量を表4−2に示す。
<調査結果>
撓曲の東側(隆起側)で実施したのは、97−1のみである。
コンクリート片を含む公園造成時の盛土の下位には、粘土分に非常にとむローム層が出現する。さらにその下位には、中砂からシルトに上方細粒化を示す地層が2層見られる。1つのサイクルは厚さ10cm程度である。
深度2.58mから下位は、最大コア長10cm程度の硬質のレキが出現する。
撓曲の西側である霞川低地内では、87年に実施したトレンチと、91年に実施したトレンチを結ぶような測線を設定し、ほぼ等間隔で97−2〜97−9の7孔のボーリング調査を実施した。
この7孔のボーリングコアでは、人工改変が地表から深度1〜2mまで見られ、その下位に腐植物を多く含む粘土〜粗砂が分布し、さらに下位は深度3〜4m前後で新町レキ層に達する。
人工改変の直下は、ほぼ全孔にわたり腐植質の粘土層からピートが出現する。その下位には、細レキから細砂またはシルトが分布する。多くは上方細粒化のサイクルが見られ、細砂からシルト層には植物片を多産する。また、炭化木片や未炭化の木片なども出現する。しかし、いずれの地層もボーリング相互間で、連続性が悪い。
レキ径が大きく硬質のレキが出現する深度は、標高157m前後であるが、97−9および97−5では周囲よりも30cmほど高い。
図4−4 調査位置図(青梅市藤橋地区)
図4−5 断面図(青梅市藤橋地区)