2−4−1 調査方法

ボーリングに使用する機械は、ロータリー式オイルフィード型試錐機を用いた。ロータリー式オイルフィード型試錐機による掘進装置一般図を図4−1に示す。

図4−1  ロータリー式オイルフィード型試錐機の概要

シンウォールサンプラーでの採取は、固定ピストン式シンウォールサンプラーによって行った。図4−2−1図4−2−2にその構造を示す。ライナーにはφ73mmのステンレスチューブを用いた。ピストン部の固定は、チェーンおよびターンバックルを使用し、押し込み時にピストンが引きずり込まれないようにした。

図4−2−1 シンウォールサンプラー

図4−2−2 シンウォールサンプラー

シンウォールサンプラーでの採取が困難な地層の場合には、コアパックチューブによる採取に適宜切り替えた。コアパックチューブは、外管,内管,スリーブの3つが組み合わさっている。原理は外管を回転させることにより地盤を削り取り、試料を内管内にセットしたスリーブ中に押し込んでいくものである。外管と内管との間にはベアリングが取り付けられており、これにより外管の回転を遮断する仕組みとなっている。また、掘削用泥水は外管と内管の間を流れるため、泥水による試料の汚染や撹乱を防いでいる。採取された試料は、スリーブ中に収納されるため試料の取り出しは容易であり、それに伴う乱れもほとんど生じない。

図4−3にコアパックの概要図を示す。

図4−3 軟質用トリプルコアチューブ(コアパックチューブS型)

以上の方法を用いて採取したコア試料は、観察後、ライナーの両端をパラフィンで密封し、試験室に搬入し、軟X線試験後、コアを半割りにした後、コア箱に納めた。半割のうち、一方は地層観察および写真撮影など保存用に保管し、他方は試料分析用に各種分析を行った。