1−3−2 瑞穂町箱根ヶ崎地区

箱根ヶ崎の立川断層を挟む2本の調査ボーリングでは、B.P22,000年以前の砂礫層 に約200m間で約5mの変位が確認された。その後、狭山ヶ池が閉塞されたB.P.17,500年以降、沈降側での粘土層の下面(97−10孔,TP+134.4m)と、隆起側での立川レキ層の上面(97−11孔, TP+138.7m)との標高差を断層の垂直変位とみなせる。つまり、B.P.17,500年以降の変位速度は、約0.25m/1,000年である。

ここに構造湖が形成され、砂礫層の上面に細粒の堆積物(砂,腐植土)が堆積しはじめた時点が、過去の断層活動の1回を示しているとすると、次のとおりである。

B.P 21,960±70年以降

(この活動は霞川低地の調査では把握されていない。)

それより新しい時代になると旧狭山池内のボーリング地点には、連続して層相変化のない粘性土が堆積しており、そこから断層活動の痕跡を見出すことはできなかった。ただし、厚い沖積層が分布していることから、この地域でも沖積層を詳細に調査することで、断層活動の履歴を把握することができる可能性があると考える。