5−2−3 モデル計算結果

伏在断層の傾斜角度を推定するためモデル計算を行った。モデル断面は第1測線を想定し、断層の傾斜角度が40°と60°の2ケースについて検討した。図5−2−8に断層の傾斜が40°の場合の速度構造モデル、図5−2−9に断層の傾斜が60°の場合の速度構造モデルを示す。断層の位置は地表でCDP=250(杭番号125)とした。

上記の速度構造モデルに対して、計算した合成波形記録とオリジナル波形記録を図5−2−10図5−2−11に示す。起振位置はCDP=260(杭番号130)で断層の上盤側に少し入った位置である。モデル計算による合成波形記録では断層の傾斜角が40°の場合は反射波が明瞭にみえるが、断層の傾斜角が60°では反射波は不明瞭になっている。オリジナル波形記録でみると、反射波の現れ方は断層の傾斜角が40°の場合と似ている。したがって、伏在断層の傾斜角度は高角度というより低角度であると推定される。