5−1−7 池田断層

三野町太刀野から三好町、池田町を経て県境に至る延長40kmの断層である。

三好町から池田町にかけては低位段丘上に直線的にのびる低断層崖が発達している。三好町足代や州津では河谷や段丘崖の右ずれ変位がみられる。池田町の西側では段丘崖の右ずれ変位がみられる(岡田,1968)。池田町から西側では池田断層は馬路川沿いをとおっているが、地すべりが多く断層変位地形は明瞭でない。 三野町太刀野の既存ボーリング資料によると、池田断層南側の沖積扇状地では基盤が急に深くなっている。

三好町行常北東部では、中位段丘礫層が北側へ逆傾斜している。

池田市イケミナミ南西の山体は和泉層群の地すべり岩体といわれている(岡田,1968;岡田・堤,1990)。既存ボーリング資料によると、和泉層群の地すべり岩体の下に礫層が分布しており、その下位は三波川帯の結晶片岩からなる。

今回、池田市西方の吉野川を横断する方向に配置された既存ボーリングから池田断層の位置を把握できた。図5−1−11に示すように、B1−3では河床砂礫の下は湖沼堆積物であり、深度38.6mから結晶片岩の破砕帯である。その北西の池基B−1,B−4では河床砂礫の下位は和泉層群の基盤からなる。ボーリングB1−3と池基B−1の間を池田断層がとおるものと考えられる。

県境に近い池田町佐野では、池田断層の500m北側で河谷の系統的な右ずれ屈曲がみられる。その線上で和泉層群と石英斑岩の破砕帯を確認したが、この断層の活動性は明らかでない。