5−1−2 鳴門断層(大麻町〜撫養町)
鳴門市大麻町から撫養町にかけての鳴門断層は、讃岐山脈南縁と沖積地の境界をなし、地形のコントラストが明瞭な断層であるが、沖積扇状地や段丘面での断層変位地形は明瞭でない。既存ボーリング資料でも、断層を挟んで和泉層群基盤の深度はほとんど変わらない。これらのことから、大麻町から撫養町にかけては、鳴門断層よりも伏在断層がより活動的と考えられる。しかし、大津町大代では低位段丘面上に低断層崖がみられ、段丘面は北側へ逆傾斜している(図5−1−5)。その東側には風隙谷がみられる。また、大麻中学校南側の沖積扇状地先端に高さ約1mの低断層崖がみられ、その東側延長部に結晶片岩破砕帯が確認されている(中川編,1981)。これらのことから大麻町から撫養町にかけての鳴門断層も新しい時期に活動した可能性があり、今後も検討が必要である。