3−6−1 空中写真判読

今回、縮尺1万分の1空中写真で判読を行った結果、鳴門市から土成町にかけての沖積低地や沖積扇状地で断層変位地形を多く確認した。土成町から西側では従来のストリップマップと基本的に変わっていない。

鳴門市大津町木津野から備前島、段関を経て大麻町姫田に至る沖積低地上には、ほぼ東西にのびる比高50cm程度の微高地の列が認められる。この微高地列は沖積低地に残る旧河道跡とは直交もしくは斜交していて自然堤防とは考えにくく、地盤のテクトニックな動きにより形成されたものと考えられる。微高地の南縁は比較的明瞭な低崖からなり、北縁は不明瞭に沖積低地に移行しているようにみえる。既存ボーリング資料では微高地の南縁付近を境として、南側で基盤の深度が急激に深くなっている。これらのことから、微高地の南縁に伏在断層が推定される。 大麻町板東の沖積扇状地上には比高3〜4mの低断層崖がみられる。天理教板東分教会付近では北側(上盤側)の扇状地面が上流側に逆傾斜している。

板野町の大寺から羅漢にかけての沖積扇状地上には低断層崖が直線的に連なっている。上板町神宅の沖積扇状地にも断層変位地形と考えられる低崖が発達している。従来のストリップマップでは、この沖積扇状地上に断層変位地形が認められないことから、ここを境に東側の鳴門断層と西側の神田断層を区分していた。今回の空中写真判読では、沖積扇状地上の低崖は神田断層東端の逆向き低断層崖に連続しているようにみえる。

土成町では地溝状陥没地形部南側の土成中学校付近や九頭宇谷川沿いで、断層変位地形と考えられる低崖を新たに確認した。