3−4−10 脇町東田上

脇町に分布する田上断層は狭義の中央構造線であり、また、東田上付近では河谷の右ずれ屈曲がみられ、活断層であるといわれている(岡田,1970,1978)。大谷川西岸では空中写真では低断層崖が認められるが、土地の改変が著しく踏査では明瞭な低断層崖を確認できなかった。

東田上では結晶片岩破砕帯が土柱層に衝上し、その北側で高角度断層で結晶片岩と和泉層群が接する露頭がみられた(写真23写真24写真25写真26)。北側の高角度断層は空中写真判読による田上断層の延長線上に位置している。土柱礫層と結晶片岩との境界部では結晶片岩が約20cmの幅で著しく破砕しており、この境界は低角度断層と考えられる。断層の走向・傾斜はN35°W,22°SWである。低角度断層北側の高角度断層を境として、北側の和泉層群と南側の結晶片岩が接している。断層の走向・傾斜はN85°E,60°Nである。断層付近は幅40m以上破砕している。また、結晶片岩破砕帯中には和泉層群破砕帯が取り込まれている。