地形地質調査では鳴門市から土成町にかけての沖積低地や沖積扇状地で多くの断層変位地形を確認した。これらは平野部伏在断層や鳴門断層の活動により形成された断層変位地形と考えられる。また、西側の三野断層や池田断層についても新しい知見を得た。その成果は縮尺1万分の1ストリップマップとして整理した。
反射法弾性波探査では平野部伏在断層の位置を概略把握した。この断層は鳴門断層の南側約1kmをとおっており、北側に傾斜した逆断層である。既存ボーリング資料によると、断層から北側では浅い位置に和泉層群基盤が認められるが、その南側では基盤が急激に深くなっている。反射法弾性波探査の結果では基盤の深さは1,600m以上と推定される。また、この断層は沖積低地に微高地を形成しており、活断層であり、きわめて新しい時期(数1,000以降)に活動した可能性が高い。これらの結果を踏まえて、平野部伏在断層と鳴門断層を対象としてトレンチ掘削候補地を3箇所選定した。また、三野断層、池田断層についても、各々1箇所づつトレンチ掘削候補地を選定した。
地域活断層委員会は5回開催された。これらの議事録を次ページに示す。