比抵抗とは、地盤の単位体積あたりの電気抵抗のことである。地盤の比抵抗値を測定するには、電流電極と電位電極を設置する。次に電流電極から電流を通電し、このとき発生した電位電極間の電位差を測定する。
一般に土質地盤の比抵抗(ρ)は、土質の種類(土粒子の比抵抗:ρm)や地層水比抵抗(ρW)、空隙率(φ)、および飽和度(SW)より変化する。すなわち、比抵抗はこれら土質パラメーターの関数と考えられる。
ρ=(ρm,ρW,φ,SW)
また、土粒子の比抵抗はその粒度や化学組成と密接な関係があり、砂・礫等では大きな値を示すのに対して、粘土などでは極めて小さい値を示す。各種の土質パラメーターと比抵抗の関係を表2−3−6に示す。
表2−3−6 各種土質パラメーターと比抵抗の関係
したがって、地下の比抵抗構造を探査することにより、地盤内の土質性状の変化や地盤構造の概要を推定することができる。
以下に、電気検層(ノルマル法)の調査方法と原理を述べる。
(2)測定方法
測定は、図2−3−9,図2−3−10に示すとおり、ボーリング゙孔に一定間隔(今回は、25cm,50cm,100cm)の電極を挿入し、電流電極A・Bから地盤中に電流を流し、その結果生じる地盤中の電位差を電位電極M・N間で測定する。すなわち電極Aを中心として、電極間隔A−Mすなわち半径aの球体部分(ボーリング孔内付近)の比抵抗を測定することができる。
半径aの球体部分の表面積Sは、S=4πa2であることから、球体の比抵抗ρ(Ω・m)は物質の抵抗R(Ω)と長さL(m)を用い、次式(1)により求めることができる。
ρ=R・(S/L)=R・4πa2/a=4πa・R
=4πa・V/I ・・・・・・・・・・・・(1) ここで、a:AM間の電極間隔(m)
I:AB間の測定電流(A)
V:MN間の電位差 (V)
図2−3−9 電気検層測定原理
図2−3−10 電気検層測定概念図