1−3−1 入山断層

入山断層について得られた地形・地質情報を図12−1図12−2にストリップマップとして示す。

入山断層は、入山断層系の主体をなす断層であり、由比町の由比川沿いから、富士川町と芝川町の境界となる廻り沢川沿いに、ほぼ南北に連続する断層である。富士川町泉水以北では、走向が北東−南西方向になり、富士川付近の芝川町古田で芝川断層に連続する。

入山断層の研究の歴史は古く、今野・大塚(1933)で「入山断層」と命名され、大塚(1938)で詳細に記載されている。大塚(1938)は入山断層を「入山衝上断層」と呼び、新第三系が第四系に衝上し、第四系が褶曲して急傾斜となる地質構造を明らかにしている。

活断層としての入山断層の記載は、活断層研究会編(1980)により確実度Tの西側隆起・左横ずれの活断層と指摘された。

その後、杉山・下川(1982)や駿河湾団体研究グループ(1982)により、段丘堆積物や崖錐堆積物に変位を与える断層露頭が発見され、新期の活動が直接確認された。