3−4−7 今後の課題

以下の事項が関ヶ原断層に対する課題として残されている。

・委員会では、開口亀裂が認められた地層の14C年代値(補正年代)の信頼性に対する議論が行われた。議論の結果、測定手法は信頼性のあるものであり、得られた結果についても層序的な矛盾もないが、年代測定を行った試料(小さな炭化物や材化石)に対する信頼性が十分ではない可能性があるとの結論に至った。今後、同じ地層から信頼性の高い年代測定試料を採取し、地層の年代測定を行い信頼性を高めていく必要があるとの指摘を受けた。

・東海層群の基底面と考えられる反射面のずれを直接的に確認する。

及び、低地部での基盤深度を直接的に確認する必要がある。

関ヶ原断層帯に対しての今後の課題は次のものがある。

・地形地質調査の結果では、低位段丘面に宮代断層の活動により形成された考えられる撓曲崖が認められた。宮代断層の断層活動と撓曲崖との関連を明らかにしておく必要がある。これによって、不十分であった関ヶ原断層の活動性を補うことができる可能性がある。

また、養老断層−柳ヶ瀬断層間の地震のポテンシャル調査の一環として、今須断層,池田山断層を含めた活動性調査があげられる。