(2)原理および測定方法

1)測定器

測定器は、応用光研工業(株)製の「ラドン・エマノメ−タ」(RE−100型)である。

測定器の仕様内容は、表2−3−4−1のとおりである。

2)測定原理

測定原理は、シンチレ−タで自然放射能(γ線)をとらえ、観測された放射線をカリウムからの放射線量とラドン系列元素(ラドン,トロン)の崩壊生成物質であるビスマスからの放射線量にわけて計測する。

カリウムの半減期は1.28×109年であり、ラドン3.824日,トロン55.1秒である。カリウムは長寿命核種であり、放射線量の変化は少ない。一方、ラドン系列元素(ラドン,トロン)の半減期は極めて短く、直接放射線量を観測することは困難であるため、その崩壊生成物質であるビスマスからの放射線量を測定している。

表示される(ラドン・エマノメータのハードディスクに蓄積される)データは、カリウムからの放射線強度とラドンエマネーション量,エマネーション化率の3データである。

ラドンエマネーション量は、ビスマスからの放射線の実測量と内部演算処理によりカリウムの放射線量から推定される岩盤がもっていると考えられるビスマスからの放射線量との差である。ラドンエマネーションは通常はマイナス表示され、ビスマスからの放射線量が多い場合にはプラス表示される。エマネーション化率は、このラドンエマネ−ション量を内部演算により求められたもともとの岩盤がもっているビスマスからの放射線量で除したもの(比)である。

3)測定方法

測定手法は、30秒間に観測する放射線量を1個のデータとして観測し、それを次次に記憶し、10個データを累積したものを表示する。次の30秒では、2〜11回分を測定したものの累積を表示する。

測定は連続測定で、測定結果や測線位置図に示した数字は、この番号で停止して測定したわけではなく30秒ごとの計測番号である。

今回は、定点測定は実施していないので、ある計測番号の測定位置は、前のデ−タからある計測番号間のデータであり、very pointを示しているわけではない。