(7)まとめ

高密度電気探査は、関ヶ原断層の分布位置把握・地質構造の把握を比抵抗分布により把握することを目的として実施した。

探査測線は、秋葉・丸山地区,笹尾山地区で、地形地質調査により想定されている断層線に直交するようにほぼ南北方向で3測線(総延長804m)で行った。

比抵抗4極法であるウェンナー法により測定し、2次元インバージョン解析により処理を行い、解釈断面図を作成した。

高密度電気探査の結果、得られた比抵抗値が全体に300Ω・m以下と低比抵抗であるため、地質構造解釈の信頼性が低い。

比抵抗分布から、笹尾山地区のE−1測線と秋葉・丸山地区のE−3測線では、地形地質調査のにより推定される断層の存在が一部裏付けられたが、逆に、地形地質調査で推定されていない断層が高密度電気探査により新たに推定された。また、秋葉・丸山地区のE−2測線では断層の推定が困難であった。

高密度電気探査の結果は、深度50mまでの地質構造が比抵抗値をパラメータとしてある程度推定できたが、地層の持つ比抵抗値に極端な差異がないこととや、地下水による影響も大きいことから、地質構造解析の根拠とはせず、バックデータの一つとすることとする。

図2−3−3−10