(2)調査開始時点における関ヶ原断層帯の不明確な事項

1) 分布

鍛冶屋断層・関ヶ原断層・宮代断層については、杉山ほか(1994)で断層露頭もしくは破砕帯が示されており、その分布が確実視されるが、醍醐断層については地形的な根拠に頼っており、断層露頭や破砕帯は記載されていない。

2) 活動履歴

活断層の変位量や変位速度について、杉山ほか(1994)では関ヶ原断層及び宮代断層について示されている。

関ヶ原断層については、杉山ほか(1994)では河谷の左ずれを根拠に変位量を示している。変位量の記載はない。

活断層研究会(1991)では、これに加えて伊吹山石灰岩層の左ずれを根拠に変位量が示されている。変位速度の記載はない。活動度はA〜Bと記載している。

最終活動時期・活動周期の把握はなされていない。

宮代断層ついては、低位段丘堆積以降の断層活動を示唆しているが、活動性に関する記載はない。

3) 断層の構造

各断層について、断層の構造そのものが殆どわかっていない。また、単位変位量もわかっていない。