3−1 断層の位置と連続性

本調査結果と既存資料を総合すると、深谷断層の位置と連続性については、以下のようにまとめる。今回実施した反射法地震探査結果によると、深谷断層は深谷A測線ではCMP230付近であり、また本庄B測線ではCMP280付近であることが明らかとなった。また、これらの結果と併せて、これまでに実施された反射法探査結果より、堆積層の傾斜の急変点を断層位置としてプロットすると、図3−1−1が得られる。

この図に示されるように、深谷断層は岡部町の小山川と交差する付近から、熊谷市三ヶ尻を経て熊谷大橋付近まで明確に追跡される。山口ほか(1998)が報告した反射法探査結果によると、さらに南東方の荒川付近に断層が連続することが推定される。

一方、断層北西方の本庄市域では、利根川の河川作用によって断層崖が削剥され、断層の連続性は明確でない。しかし、本調査における本庄B測線の結果によると、この地点においても堆積層の傾斜構造は明瞭であることより、断層は北西方に対しても連続する可能性が大きいと考えられる。

以上より、深谷断層は18km〜25km以上の長さを有する断層である可能性があり、今後断層長の再考が必要になるものと考えられる。

図3−1−1 深谷断層の位置と連続性