2−5−2 テフラの記載(写真集、ボーリング柱状図参照)

本調査地に分布する地層に年代指標を入れる目的で、ボーリングコア中に認められたテフラを詳細に観察した。年代指標となるテフラは、GL−70m(標高−29.62m)以深のシルトまたは粘土中に多く認められたが、GL−70m(標高−29.62m)以浅ではほとんど認められなかった。以下では本ボーリングコア中で認められたテフラを記載する。

記載(深度はすべてGL、孔口の標高は40.376m)

2.80m付近

淡茶褐色粘土中にφ=0.5mmの黄白色軽石点在する。

63.30〜63.40m付近

赤紫色のφ=30〜40mm程度発泡の悪いスコリアを含む。

64.70m付近

赤紫色のφ=30mm程度発泡の悪いスコリアを含む。

71.40〜74.40m付近

黒〜暗灰のφ=2mm程度の発泡が悪いスコリアが密集する。

74.85〜74.90m付近

青灰色粘土中にφ=0.5〜1mmの白〜黄白色の軽石が散在する。

75.15m付近

青灰色砂混じりシルト中に白〜黄白色軽石を層状に挟む。軽石はφ=0.5〜1mm程度である。

77.10m付近

灰色シルト中に白〜黄白色軽石を層状に挟む。堆積構造が認められる。

77.60〜77.67m付近

軽石はφ=0.5〜1mm程度白〜黄白色で比較的密集する。

79.84m付近

青灰色シルト中にφ=0.5〜1mm程度の白〜黄白色軽石をレンズ状に挟む。

83.40〜83.70m付近

φ=1〜2mm程度スコリアが密集する。

113.98m付近

青灰色砂礫混じりシルト中にφ=5〜30mmの白〜黄白色軽石を含む。

114.00〜114.45m付近

暗灰色シルト混じり砂礫層中にφ=5〜30mmの白〜黄白色軽石が密集する。

軽石の発泡は比較的良い。

114.79〜115.00m付近

青灰色砂礫混じりシルト中にφ=5mmの白〜黄白色軽石を含む。

116.00〜16.95m付近

暗灰色腐植土混じりシルト中にφ=0.5mmの白黄色軽石をレンズ状に挟む。

121.30〜121.40m付近

φ=0.5〜1mm白〜黄白色軽石が密集する。

121.51〜121.61m付近

φ=0.5〜2mm黄〜黄白色軽石が密集する。

121.70〜121.75m付近

φ=0.5〜2mm白色軽石が密集する。

128.10〜128.20m付近

青灰色シルト混じり砂中に粘土化した軽石をレンズ状に含む。

128.46m〜128.52m付近

青灰色シルト混じり砂中にφ=0.5〜3mm程度の発泡の悪い軽石を少量含む。

128.62〜128.80m付近

青灰色シルト混じり砂中にφ=0.5〜3mm程度の発泡の悪い軽石を少量含む。

130.29〜130.30m付近

暗灰色粘土層中にφ=1mmの青白軽石散在する。

131.37〜131.50m付近

締まりの悪い暗褐色粘土中にφ=1〜2mmの軽石を多量に含む。

133.10〜133.12m付近

青灰色粘土中にφ=0.3〜0.5mmの白〜黄白色軽石が密集する。

132.31〜132.50m付近

青灰色粘土中にφ=0.5〜1mmの軽石が散在する。

134.68〜135.00m付近

青灰色粘土中に黄白〜青白φ=0.5mmの軽石が散在する。

137.28〜137.77m付近

青灰色シルト混じり砂中にφ=0.5〜1mmの白〜黄白色軽石が散在する。

140.90〜141.85m付近

青灰色粘土中にφ=0.2〜0.5mm白から黄白色の軽石を層状に挟在する。

142.30〜142.41m付近

桃白色ガラス質火山灰密集する。

142.41〜142.90m付近

暗灰色腐植土混じりシルト中にφ=0.2〜0.5mmの軽石が散在する。

143.00〜143.05m付近

暗灰色腐植土中にφ=0.5mmの白〜黄白色軽石散在する。

144.40〜144.70m付近

暗灰色腐植土中にφ=0.5mmの白〜黄白色軽石散在する。

146.20〜146.50m付近

青灰色粘土中にφ=0.5mmの白〜黄白軽石点在する。

147.80〜148.10m付近

青灰色粘土中にφ=0.5mmの白色軽石点在する。

148.70〜148.81m付近

青灰色粘土中にφ=0.5mmの白色軽石点在する。

148.80m付近に軽石をレンズ状に挟む。

148.81〜149.00m付近

砂混じりシルト中に火山ガラス含む

まとめ

@GL−60m(標高19.62m)以深では、およそ30箇所でテフラが認められた。しかし、それらの多くは粘土あるいは、シルト中に散在しており、それ自体で層を形成していない。

A特に、テフラが明瞭に認められる部分はGL−121〜122(標高−80.62〜−81.62)、140m(標高−99.62m)付近である。ここではテフラ自体で層を形成している様子が認められる。

B本ボーリングで認められたテフラのほとんどは軽石である。そのなかで、GL−142.3(標高−101.92m)〜142.4m(標高−102.02m)付近には層厚10cm程度の桃白色のガラス質火山灰が密集する。この地層は極めてガラスに富み、広域火山灰であることは間違いないと考えられる。一方、スコリアはGL−63〜84m(標高−22.62〜−43.62)において数層準で認められる。

CGL−113.98〜114.45m(標高−73.60〜−74.07m)付近には直径30mm程度の比較的大きな白〜黄白色軽石を含む。この軽石の供給源は非常に近いと考えられ、榛名山起源の可能性がある。