(2)地 質

図2−3に示されるように、北武蔵台地の基盤は関東山地に沿って分布する新第三系で、不整合面は比較的急角度で北東へ傾いている。扇状地礫層の上位には、武蔵野ローム層、立川ローム層下部に対比される薄い新期ローム層および立川ローム層上部に対比される大里ローム層がのっている。大里ローム層は広く分布し、浅間火山起源の火山灰を主体とし、厚さは1〜2mで、下部にAT火山灰を挟んでいる。

本庄台地の扇頂部は大里ローム層に覆われているが、扇端部ではローム層は礫層中に挟まれていることから本庄台地の形成は立川期の後期と考えられている。また、櫛挽台地は荒川扇状地の侵食段丘であり、櫛挽面は櫛挽礫層とよばれる礫層で構成され、新期ローム層と大里ローム層に覆われている。関東ローム層の下位には侵食面を形成した薄い礫層があるが、荒川扇状地をつくる礫層と区別しにくい。

一方、この地域はATをはじめとする九州起源の広域火山灰のほかに近隣の浅間山、榛名山などを給源とする火山灰が多く分布することが知られ、活断層の活動期特定のために有用となっている。

図2−3 北武蔵地域の地質図(活構造図「東京」(1997)より引用)