1−2−1 調査目的

今回の調査目的は,今年度前半に実施された調査(地表地質調査・反射法地震探査)の結果をふまえ,次の点にある。

@ 深谷断層の詳細な活動履歴を解明するためには,地層の具体的な地質年代を得ることが必要である。第一の目的は,そのための各種試験・分析に供する試料を採取することである。これまでの調査では,具体的な地質年代を得るための試料等は,得られていない。そのために,ボーリング調査を実施し,採取したコアを用いて地層の対比を詳細に行う。地質年代を確立することにより,深谷断層の活動性や活動履歴を定量的に把握するための一助とする。深谷地域周辺の既往地質調査資料をみると,地盤構成は,地表からGL−100m付近までは礫質土が卓越し,それ以深には粘性土が分布するとなっている。地質時代の同定に有効な火山灰の薄層は,主に粘性土の中に挟在し,また,礫質土中にも挟在する可能性がある。したがって,ボーリング掘削によって,所定の深度(GL−150m)までのできるだけ完全なコアを採取することが肝要である。

A 今回のボーリング調査で得られる地質分布と,今年度前半調査で行われた反射法地震探査の反射記録とを,可能な範囲で対比する。

B 深谷断層の活動履歴を把握するために,今後継続する調査の方針を明らかにする。