(1)試料と処理方法

各試料について、80℃の定温乾燥器により24時間乾燥の後、秤量し、高柳(編)(1978)に準拠して、硫酸ナトリウムとナフサの併用法(米谷・井上,1973)による微化石処理を行った。なお、とくに軟質の試料については、湯に漬けることにより泥化処理を行った。

以下に、硫酸ナトリウム法とナフサ法の処理手順を示す。

[硫酸ナトリウム法]

@乾燥させた岩石試料に沸騰した硫酸ナトリウム過飽和溶液を加える。

A冷却後、上澄みを棄て、結晶化が進むまで2−5日間放置する。

B熱湯を加え煮沸する。

C250メッシュ(開口63μm)のふるい上で水洗し、乾燥する。

[ナフサ法]

D乾燥させた試料にナフサを加え、30−60分放置して冷却する。

E上澄みのナフサを回収しする。

F熱湯を加え、ナフサが無くなるまで煮沸する。

G250メッシュのふるい上で水洗し、乾燥する。

[拾い出し]

H処理の済んだ試料について、双眼実体顕微鏡下で有孔虫化石を確認する。

I1分割当りの有孔虫数が200個体前後になるように二分割を繰り返す。

J双眼実体顕微鏡下で、最小分割部分に含まれるすべての有孔虫化石個体を摘出する。