(3)VSP処理結果

VSP処理を実施したデータは下表の通りである。

表3−4−101

以下に各孔の処理結果を示す。各孔とも、オリジナルデータ、走時曲線、フィルター処理後の波形記録は巻末資料に示し、ここでは、VSP処理の結果得られるtwo−way time変換後の上方伝播波(反射波)と合成反射波形を示す。なお、ここでは、VSP処理の中のデコンボリューション処理は実施していないので、反射波の発生深度は各反射波形の始点に対応する。

@b`−1孔:P波VSP

図3−4−20に、VSP検層結果図(two−way time変換後の上方伝播波と合成反射波形)を示す。フィルター処理条件は以下の通りである。

・BPF:30Hz/24db−100Hz/24db

・AGC:LPF 10Hz/10db、Threshold Level 10db

・速度フィルター:τ−Pフィルター、Pass band 1100m/s−2200m/s

図中には、サスペンションPS検層で得られたP波速度分布も示したが、砂礫層に対応する速度急増点付近で明瞭な反射波が発生していることがわかる。

Ab`−2孔:P波VSP

図3−4−21に、VSP検層結果図(two−way time変換後の上方伝播波と合成反射波形)を示す。フィルター処理条件は以下の通りである。

・BPF:30Hz/24db−100Hz/24db

・AGC:LPF 10Hz/10db、Threshold Level 10db

・速度フィルター:τ−Pフィルター、Pass band 1200m/s−1800m/s

サスペンションPS検層で得られたP波速度分布と比較すると、b`−1孔同様、深度50m付近の礫混じり砂層に対応する速度急増点付近および85m付近の若干の速度急変点付近で反射波が発生していることがわかる。

Bb`−3孔:P波VSP

図3−4−22に、VSP検層結果図(two−way time変換後の上方伝播波と合成反射波形)を示す。フィルター処理の条件は以下の通りである。

・BPF:30Hz/24db−100Hz/24db

・AGC:LPF 10Hz/10db、Threshold Level 10db

・速度フィルター:τ−Pフィルター、Pass band 1300m/s−1800m/s

サスペンションPS検層で得られたP波速度分布と比較すると、b`−2孔同様、50m付近に速度の急変点があり、反射波が発生している。その他は微細な速度変化に対応して反射波が発生しているため、反射波が重なり合って見かけ上低周波の反射波となっている。

Cb`−3孔:S波VSP

図3−4−23に、VSP検層結果図(two−way time変換後の上方伝播波と合成反射波形)を示す。フィルター処理の条件は以下の通りである。

・BPF:10Hz/24db−80Hz/24db

・AGC:LPF 10Hz/10db、Threshold Level 20db

・速度フィルター:τ−Pフィルター、Pass band 200m/s−400m/s

 反射法弾性波探査は、すべてP波で実施しているので、ここでは特にサスペンションPS検層結果との対比は行わなかった。

Dba−1孔:P波VSP

図3−4−24に、VSP検層結果図(two−way time変換後の上方伝播波と合成反射波形)を示す。フィルター処理の条件は以下の通りである。

・BPF:30Hz/24db−100Hz/24db

・AGC:LPF 10Hz/10db、Threshold Level 10db

・速度フィルター:τ−Pフィルター、Pass band 1000m/s−1900m/s

サスペンションPS検層で得られたP波速度分布と比較すると、b`−3孔と同様な反射波の発生の様相を示していることがわかる。

Eba−5孔:P波VSP

図3−4−25に、VSP検層結果図(two−way time変換後の上方伝播波と合成反射波形)を示す。フィルター処理の条件は以下の通り。

・BPF:30Hz/24db−100Hz/24db

・AGC:LPF 10Hz/20db、Threshold Level 10db

・速度フィルター:τ−Pフィルター、Pass band 1100m/s−2000m/s

サスペンションPS検層で得られたP波速度分布と比較すると、A−2孔の反射波の発生様相と同様な特徴を呈していることがわかる。