①の最下部の礫層は、№A-1孔では深度56.49~61.41m(標高-39.37~-44.29m)間に分布する。本層は、径4mm程度のチャート・凝灰岩類・緑色片岩・安山岩類の円礫を主体として、最大径4cmの礫を含んでいる。基質は中~粗粒砂からなる。さらに①層全体では、上方細粒化のサイクルが認められ、下位の砂・シルト層とは明瞭な境界をもって接し、②の上位のシルト層とも比較的明瞭な境界をもって接している。本層は下位の砂・シルト層(C層)とは非常に明瞭な境界をもって接する。
また、本層は水平方向への連続性がよく、各孔では以下の深度に認められる。本層の特徴は、上記に示した通りであり、これらの孔でもほぼ同様の特徴を持って分布する。
№A-2孔:深度46.60~53.55m(-37.09~-44.04m)
№A-3孔:深度46.65~51.79m(-38.95~-45.09m)
№A-4孔:深度52.75~58.20m(-39.20~-44.65m)
№B-1孔:深度42.31~46.64m(-35.39~-39.72m)
№B-2孔:深度40.88~45.68m(-34.88~-39.68m)
№B-3孔:深度41.14~46.00m(-34.71~-39.57m)
№B-4孔:深度41.69~46.25m(-35.54~-40.10m)
№B-5孔:深度40.88~47.45m(-34.76~-41.33m)
②の下部のシルト層は、暗オリーブ灰~灰色を呈する細粒砂質シルトおよび火山灰質シルトからなる。№A-1孔では深度49.55~56.49m間に比較的厚く分布する。ただし、A測線沿いでは、水平方向の連続性が悪く、B測線では層厚の変化がやや見られる。
A測線での層厚の変化は以下に示す通りであり、№A-3孔で認められなくなる。すなわち、№A-3孔から東西両方向に向かって本層が厚くなる傾向が見られる。
№A-1孔:6.94m
№A-2孔:2.19m
№A-3孔:0.00m
№A-4孔:4.50m
B測線では、各孔での層厚2~3mで、東に向かって厚くなる傾向がある。
③の砂・シルト互層は、黒~オリーブ黒色を呈する細~中粒砂層と灰~灰オリーブ色を呈する砂質シルトからなり、上位から中位に数cm厚程度の火山灰層ないしは火山灰質シルト層を挟む。
なお本層中では細かな堆積サイクル(上方細粒化)が4サイクル認められる。本層中での砂層およびシルト層は、上・下方向および横方向の層相変化が顕著である。
④の火山灰層は、層相の特徴がA測線沿いとB測線沿いで異なり、A測線では上位の灰オリーブ~黄灰色を示す火山灰質シルト層(層厚1~2m程度)と、下位の黒~黒褐色を示す有機質土層(層厚0.5m程度)の組み合わせとなる。B測線では有機質土層が分布せず、有機質土混じりの火山灰質シルトで特徴づけられる。
火山灰分析の結果、房総半島の清川層に対比できる広域テフラ(TB-7,TB-8)が検出できた。判定の根拠として、TB-7のopx(普通輝石)の屈折率が1.7以上と以上に高く、類例がないことがあげられる。
これらの分布深度は、№A-4孔で他の孔よりも2~3m程度、標高で低い位置に分布するが、その他の孔ではA測線で標高-20m、B測線で標高-18mとなり、ほぼ水平に分布することがわかる。
⑤の砂層・シルト層は、A測線では上部から「(a)オリーブ黒色を呈する細~中粒砂層、(b)黒~オリーブ黒色を呈する砂質シルト層、(c)貝化石および粗粒砂大の貝化石片を含む中粒砂層、(d)黒~オリーブ黒色の火山灰混じりシルト層・細粒砂層」の4層からなり、水平方向への連続性が良い。なおB測線では、上記(c)層と(d)層間に砂層が存在する。この砂層は、水平方向への層相の変化が激しく、西(№B-1孔)から東(№B-5孔)に向かって粗粒砂からシルトへと変化している。
本層は、花粉分析等の結果から、以下の事項が明らかとなった。
①下位のB層とは堆積環境に明瞭な境界を持って接している。そのため、不整合面である可能性が高い。
②標高-20m付近に位置する火山灰層(TB-8,TB-7)付近に堆積環境の激変する箇所がある。