(7)D層

b`−1孔の深度116.00〜155.36m(標高−98.88〜−138.23m)間に認められ、@下部の礫層および砂層、A上部のシルト層からなる。また,深度148.75〜148.77m間には軽石を主とする火山灰層が挟在する。基底部は約1.5mの中〜粗粒砂からなり、一部礫を含む。

下位のシルト層(E層)の最上部は緑がかったシルトおよび暗灰色の粘土であり、本層とは明瞭な境界をもって接する。

@の礫層は、チャートおよび珪質粘板岩の円礫を主とし、砂岩・ホルンフェルスの円〜亜円礫(径2〜3pを主体とし、最大径9pが存在する)を含む。基質は、黒〜オリーブ黒色を呈する比較的淘汰の良い粗〜極粗粒砂からなる。

深度148.36〜149.00m間は軽石を多く含む。特に148.75〜148.77m間にはゴマシオ状の軽石質火山灰層が認められる。この火山灰は、分析の結果(3.5章参照)、広域テフラであるTE−5の傾向に似ていることが明らかとなった。

@の砂層は、オリーブ黒〜灰色を呈する淘汰の良い細粒砂およびシルト混り細粒砂からなる。

Aのシルト層は、灰〜オリーブ灰色を呈するシルトを主体とする。上部ではシルト質細砂〜極細粒砂を含む。シルト層の中部に相当する深度127.30〜  130.00m間には、砂岩・ホルンフェルス・頁岩の円礫(径2〜3pを主体とする)を含む礫層が挟在する。この礫層は、上面・下面ともに明瞭な境界は認められない。深度117.58〜135.00m間には粗粒砂程度の径に砕かれた貝化石片を含み、また深度128.75〜133.20m間には貝化石片(カキ)を含む。深度120.08〜120.76mおよび 135.00〜137.86m間には生痕化石を含む。また、深度135.00〜144.70m間には炭質物が点在する。特に深度144.15〜144.60m間に最大径13cmの炭質物が含まれる。138.29〜138.35m間には黒〜黒褐色の有機質土が挟在する。

最上部の砂層(深度116.00〜116.80m、117.19〜117.27m間)には、粗粒砂程度の径に砕かれた多量の貝殻細片を含んでいる。

本層は、花粉分析等の結果、堆積環境が河川域から海域へと移行している時期のものであることが明らかとなった。