ボーリング調査位置は、付図1のストリップマップに示したように、3.2章で述べた反射法弾性波探査測線沿いで実施した。調査位置は、A測線沿いではb`−1孔、b`−2孔、b`−3孔およびb`−4孔、B測線沿いではba−1孔、ba−2孔、ba−3孔、ba−4孔およびba−5孔である。
各ボーリング孔の孔口標高,掘削長および孔底標高を表3−3−1にまとめて示す。
表3−3−1 調査ボーリングの孔口標高,掘削長および孔底標高
ボーリング調査は、採取コア径をφ86mmとして実施した。
コアの採取は、沖積層のように非常に軟質な層はシンウォールサンプリング、洪積層(比較的硬質)では油圧式ロータリーボーリングマシンを使用し、極力コアの流失のないように心がけた。
図3−3−1にb`−1孔でのボーリングマシン仮設概要図、図3−3−2にb`−2〜A−4孔・ba−1〜B−5孔のボーリングマシン仮設概要図を示す。
ボーリングにて採取した試料は、ピアノ線等を使用してコアを縦方向に半割にし、以下に示す一連の処理、観察作業を行った。
@写真撮影
半割にしたコアの片側の表面をきれいにし、1m毎に写真撮影をした
Aコアの肉眼観察及び柱状図の作成
肉眼で半割コアを詳細に観察し、層相・粒度・色調・堆積構造・化石等コアの特徴を把握し、1/100柱状図を作成した。
B分析・測定用試料の採取
以下に示す試料を半割コアの片方から採取した。採取分量は、厚さ10cm以下の対象物については、半割全部(ただし、コア外周部の泥水、スライム等による汚染部分は削る)とした。厚さ10cm以上のものは、10cmを単位として、上部・中部・下部のように代表的部分を適宜採取した。採取した各種試料は、以下に示す個数の分析、測定を行った。(3−5章参照)
@炭素同位体年代測定用試料−木片、貝殻、泥炭層等
A花粉分析用試料−泥炭層、有機質シルト層等
B珪藻・有孔虫分析用試料−珪藻土、海成シルト等
C火山灰
D考古遺物