(1)No.1ボーリング(掘削深度255m)

掘削深度は255mであり、そのうち、0〜30mまではコアを採取していないため、現場の観察のみを行った。そのため、岩相の区分はされているが詳細な観察がされていないので、ここでは記載を行わないが、沖積層(礫層)はこの範囲までに分布すると考えられる。

C層(32.00〜99.40m):段丘層

砂礫・砂・シルト・粘土層の不規則な互層からなる。全体的にシルト、粘土層は腐植質である。砂礫層は細礫が主体で最大径で50〜70mm程度、礫の淘汰は悪い。

腐植質な部分と腐植質でない部分との層分けを行い、記載した。

・30.00〜32.00m

暗灰色を呈する砂礫層である。

礫は細礫主体であるが、最大径は70mm以上であり、礫の淘汰は悪い。砂岩・泥岩・礫岩の亜角〜亜円礫が多く、基質は細砂であるが、一部シルトからなる。

・32.00〜47.40m

灰〜青灰、緑灰を呈する砂礫層とシルト層の互層である。

砂礫層は灰〜緑灰、灰渇色を呈する。礫は径10〜20mm程度の亜円礫主体であり、基質は粗砂である。

シルト層は全体的に細礫を含み、腐植質であり、細砂を挟む。

・ 47.40〜54.50m

灰〜緑灰を呈する砂礫層である。

礫は径10〜30mm、亜角〜亜円礫主体であり、最大径は50mmである。礫種は泥岩、砂岩、礫岩である。基質は粗砂主体である。

・54.50〜61.70m

紫灰〜灰、淡褐灰色を呈する砂層とシルト層の互層である。

全体的に腐植質であり、一部に厚さ10cmの腐植層を挟む。砂層は淡渇色を呈し、中〜粗砂である。シルト層は一部砂質であり、細礫が散在する。

・61.70〜67.20m

灰〜暗灰、褐灰色を呈する砂礫層である。

礫は径10〜30mm、最大径40mm、円〜亜角礫主体である。礫種はチャート・砂岩・泥岩であり、基質は粗〜細砂である。礫の淘汰は非常に悪い。砂礫層の間に、砂混じりシルト層を挟む。

・67.20〜76.90m

紫灰〜灰色を呈する礫混じり砂層とシルト層の互層をなす。

全体的に腐植質であり、5〜10cmの木片を含む。礫は細礫主体、最大径は30mmであり、礫の淘汰は悪い。

・76.90〜89.40m

灰〜褐灰色の礫混じり砂層である。砂は上部が中〜粗砂、下部が細〜粗砂である。

所々に径10mm以下の亜円〜円礫を主体とする礫層を挟む。

・90.15〜99.40m

灰〜暗灰色を呈する粘土と砂の互層である。粘土の一部はシルト質である。

砂層は礫混じり砂であり、径10mm程度の細礫を含む。砂は細〜粗砂である。

B層(99.40〜157.80m):大阪層群上部(Ma8〜Ma10)

砂・砂礫層と粘土層の互層からなる。大きく砂及び砂礫層から粘土層への上方細粒化が2層準観察される。大阪層群最上部に位置すると考えられる。下位の海成粘土層の対比より、Ma8層〜Ma10層を区別した。

・99.40〜115.00m(Ma10)

灰〜暗灰色を呈する粘土層〜細粒砂層である。粘土層中には103.98m付近に火山灰層を挟む。粘土層の上部は有機質である。下位(113.70〜115.30m)の砂層と漸移的に変化する。

・115.00〜122.60m

灰〜暗灰色を呈する礫混じりシルト〜砂礫層である。

最下部は径10〜30mmの円〜亜角礫を主体とする砂礫層で基質は砂である。数枚の砂及びシルト層を挟む。

・122.60〜129.70m(Ma9)

淡緑灰〜灰色を呈する粘土層である。

一部に細砂層を挟み、128m付近は有機質である。

・129.70〜134.25m

暗灰〜淡緑灰色を呈するシルト質細粒砂層である。

下部の133m以深は細礫を含む中〜粗砂を呈する。その上部はシルト質細砂層であり、一部に粗砂層、腐植質層、粘土質層を挟む。

・134.25〜146.15m(Ma8)

淡緑灰〜緑灰色を呈する粘土層である。139.30〜139.90m付近に貝殻片を含む。

141.35〜141.50mは火山灰層であり、カスリ火山灰である。146m以深の最下部はやや有機質である。

・146.15〜157.80m

灰、暗灰〜淡緑灰を呈する礫混じり砂及び砂質粘土層である。

最上部は灰〜暗灰色を呈する細礫混じり砂質粘土である。下部の礫混じり砂は 細砂と粗砂が不規則な互層を呈し、一部はシルト質である。径10〜15mm程度の 円礫が混入しており、一部、レンズ状に層厚5cm程度の礫層を挟む。

A層(157.80〜255.00m):大阪層群上部(Ma3〜Ma7)

A層は大阪層群の海成粘土及び砂・砂礫層の互層である。火山灰層および層相よりMa3からMa7の海成粘土層を区別した。

・157.80〜173.65m(Ma7)

淡緑灰〜暗灰色を呈する粘土層である。一部に砂層を挟在するが、ほぼ均質な粘土層である。172.30〜172.70mは火山灰層である。

・173.65〜175.55m

淡緑灰〜暗灰色を呈する砂から砂質シルト層である。上方細粒化が見られ、最下部は細礫主体の砂層となる。上部は細砂層であり、最上部では砂質シルトを呈し、植物遺体の細片が点在している。

・175.55〜185.10m(Ma6)

 淡緑灰〜緑灰色を呈する粘土層である。176.82mに厚さ5mmの灰白色火山灰層を挟む。182m以深は貝殻片が散在している。

・185.10〜199.30m

砂・砂礫層と粘土層の互層をなす。

上部は淡緑灰〜暗灰色を呈する礫混じり砂と粘土層の互層が主体であり、一部に細砂層を挟む。礫は径10〜20mm程度の細礫であり、砂は一部シルト質である。

一部腐植質な部分を挟む。193.35mに火山灰層が見られる。火山灰は栂火山灰である。

下部は暗灰色を呈する中〜粗砂層である。197m以深シルトから粘土層を挟む。

・199.30〜211.10m(Ma5)

緑灰色を呈する粘土層である。

所々に木片等の腐植物片が散在している。208.95〜209.00mで、火山灰が観察され、その火山灰は八町池T火山灰である。

・211.10〜233.83m

緑灰〜暗灰色を呈する砂と粘土の互層である。

砂は全体的にシルト質な細砂層であるが、一部に細礫を含む粗砂〜中砂が見られる。粘土層は所々に腐植物を含む。

・233.83〜245.20m(Ma4)

暗灰〜緑灰色を呈する粘土層である。

高角度の亀裂が数10cm間隔で発達し、亀裂面は貝殻状で凹凸がある。242m以深はシルト質であり、下部ほど粗粒であり、細砂を含む。下部の砂層とは漸移的である。

・245.20〜251.82m

暗灰〜灰色を呈する砂層である。細〜粗粒砂よりなり、粗粒砂主体である。シルト質な部分を挟み、細礫が散在している。

・251.82〜255.00m(Ma3)

灰〜緑灰色を呈する粘土層である。高角度の亀裂が所々に認められる。

254.15〜254.40mの間は狭山火山灰層である。